令和3年度 多職種医療連携研修会議録

2022年3月31日掲載
2021年度

北ブロック会議多職種医療連携研修会議事録

聖ヨゼフ病院

日時  :2022年3月7日(月)19:15~20:30

場所  :当院本館2階会議室よりZoomによるオンライン形式

議題

1.  開会の挨拶

2.  横須賀市からのご案内

3.  在宅療養における家族とのトラブル/ハラスメントについて(講義)

4.  グループワーク

5.  閉会の挨拶

議事
1.  開会の挨拶

(1)  皆様、在宅にて複合的な問題を抱えられている方と接していると思いますが、先日の埼玉で

の痛ましい事件をふまえ、ハラスメントやトラブルについて意見交換したい。

 

2.  横須賀市からのご案内

(1)  ケアマネジャーのための在宅療養セミナー「看取りとグリーフケア」を3月16日(水)

15時よりオンラインにて実施予定。

(2)  地域医療セミナー「診療報酬改定かかりつけ医への影響」を3月28日(月)19:30

よりオンラインにて実施予定。

 

3.  在宅療養における家族とのトラブル/ハラスメントについて

(1)  訪問診療を行うにあたり、最初が肝心であり、出来る事と出来ない事を説明している。

(2)  在宅にて診療をする時は、自院のスタッフもおらず、クリニックに比べハラスメントを受け

やすい環境である。

(3)  いままでで最大の困難事例で、90歳大腸がんの方の同居家族に問題があった。大腸がんで

あることは明白であるが、家族が頑なにがんであることを認めなかった。点滴の標記が違う

だけで夜中に質問の電話をしてくることがあった。市内の全ての病院で断られていることか

ら横浜の病院へ救急搬送となった。死亡原因を納得せず、警察の死亡解剖の結果、大腸がん

と判明するも理解されなかった。

(4)  2例目は、80歳の心不全、高血圧の方で、インフルエンザ接種の待ち時間が長いと外来で

怒鳴られた。信頼関係が得られないので診療することはできないと伝えると態度が変わった。

(5)  夫婦にて訪問診療をしていた方の娘が勝手に会話を録音していたり、電話をしてきて長時間

文句を言われた。ワクチン接種を早くするようにと何度も電話があり、市役所などにも催促

していた。最終的には、信頼関係が築けないと言う理由で訪問診療を終了した。

(6)  ハラスメントに対しては、頑張りすぎないことが大事であり、ゆっくり離れてゆく方が良い。

(7)  医政局長通知として、時間外或いは緊急対応が不十分な環境の際は、診療を断っても法律上

問われることはないとある。患者と医療機関の間で信頼関係が構築できない場合は、診療を

行わないことが正当化される。医療費の不払いや退院拒否の場合も同様である。

(8)  心が折れるまで我慢をしないで、組織的に対応した方が良いと思われる。

 

4.  グループワーク

(1)  AからHまでの8グループにて話し合いを行い、代表2グループに発表していただいた。

(2)  Cグループでは、薬局での待ち時間でクレームになることが多い。在宅主体の連携室では血

が止まらないと言われ訪問しようと連絡するも遅い時間の為断られ、翌朝行くと部屋の中で

倒れていた。訪問看護では、精神疾患の息子より赤い制服を嫌がられ殴られかけた。

(3)  Fグループでは、薬局で1時間半近く滞在する患者に対し、上役の名前を出し時間がないこ

とを伝えてお帰り頂いた。病院では診察が出来ない事をはっきり伝え、毅然とした態度で臨

んだ。診療所では距離をあけることが大事ではないかと言う意見が出た。

 

(4)  クレームは研修医等には強気に言われ、部長や院長にはあまり言わない傾向がある。薬局の

窓口などでも、自分が弱い立場だと主張してクレームを言われるケースが多々あると思われる

 

5.  閉会の挨拶

(1)  三輪医院は3月よりまちの診療所つるがおかに名称変更を行い、しろいにじの家に移転した

(2)  在宅の現場では患者本位の傾向で話し合われて来たが、今回は自分たちの防衛をふまえた会

であったことが画期的である。

(3)  トラブルのケースでは、如何に加害者を悪者にしないかが肝心だと思われる。

 

以上

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