令和4年度 第2回北ブロック会議録

2023年3月3日掲載

1. 開会の挨拶(当院院長補佐兼地域包括ケアセンター長兼呼吸器内科部長 大河内 稔)

 

  • 現状の課題を幹事間で話し合った結果、横須賀市内のACPについて理解を深めることとなり

医師会で担当されているフロムワン付属診療所佐藤先生にご発表をお願いすることとなった。

 

  • 北ブロックの考えるACP(Advance Care Planning)

 

  • 横須賀市医師会ACPガイドラインについて(フロムワン付属診療所 佐藤 眞紀子院長)

・統計資料からも解るように近年、在宅医療で亡くなる方の割合が増加している。

・これまでにACPの流れの中で様々な事件や出来事があり、2015年に厚労省により「終末

期医療に関するガイドライン」が示された。

・健康状態・疾病ステージに応じたACPの第一段階として、健康な全ての成人を対象とした。

・第二段階としては、疾病や障害を持つ人や高齢者が対象となった。

・第三段階として、重篤な疾病、人生の最終段階の人となる。

・横須賀市医師会による「適切な意思決定支援に関する指針」作成の経緯の説明あり

・市内では、リンクパスポートやかもめネットを活用することにより情報共有が可能となる。

・最も大切にすべきは患者さんの終末期の人生であり、そのプロセスを大切にすべきである。

・ACPを何度も繰り返し行い、そのプロセスを記録しておくことが大切で、本人やチームで

ケアの方針が決定できない場合は、「意思決定支援に関する検討会」を活用することができる。

 

2. 現場から見たACP(フロムワン付属診療所 中川郁子看護師)

・ACPは特別なものではなく、何気ない普段の会話の中にある。

・いままでの経験から、「終わりの会」というものを設けている。

・96歳女性の事例紹介あり。信頼関係を築くことができた為、ACPが可能となった例でる。

・また、多職種との連携が円滑に行くことにより「連絡ノート」等を通じ情報共有ができた。

・本人の意思は変化してゆくので、真意を探る為には、くりかえしの話し合いが必要である。

・その方の「どうしたいか」「どうしていきたいか」を、その方を支えるチームとして、時間や

場所に限らず、必要な時は何度でも情報交換して共有してゆくことが大切である。

・佐藤先生と中川さんが2時間をかけて本人の話しを聞くなどの取り組みの中で工夫等を教えて

ほしい。(汐入ぱくクリニック 新井院長)

本人の話しをしっかりと聞ける環境を整えることと、回数をこなすことで親近感を感じてく

れる。また、本人が本当に思っていることを知りたいと言う気持ちが大切である。

 

  • 聖ヨゼフ病院の考えるACP(大河内 稔先生)

  ・当院のACPの取り組みの説明あり。本人と医療・ケアチームとの十分な話し合いを踏まえて

本人が合意した上で行うこと。複数の専門家からなる話し合いの場を設置している。

・現状では、COVIT19の拡大が、ACPに対する意識への余裕をなくなす要因となった。

・68歳男性の症例報告あり。治療とDNAR希望の狭間で方針も揺れ動くことがある。

・厚生労働省のACPアンケートの紹介あり。

・ 現状、病院ではACPは進んでいない。よって、入院の段階でACPが決まっていると医療者

の負担を減らせる可能性が高くなる。

 

 

 

  • 行政の考えるACP(横須賀市役所民生局こども部地域福祉課 藤崎啓造課長)

 

・市では、平成23年度から在宅医療・介護連携推進事業に取り組み始めた。当時、がん患者が在宅

に退院しても生活に困るケースがあり、課題認識があった。

・市が実施した一般高齢者アンケート(65歳以上かつ要介護認定を受けていない者)では約6割が

自宅で最期を迎えたいと希望している結果であった。現実は6割が病院で亡くなっていることから

在宅療養・在宅看取りの体制づくりのニーズがあることがわかった。

・多死社会に向けて対応していくため、本日の在宅療養ブロック会議をはじめ、在宅療養連携会議

市民向け啓発イベントや啓発冊子の作成、多職種向けセミナーなどを

行ってきた。また、地域福祉課では、終活登録事業や、エンディングプランサポート事業を実施し

ている。万が一のとき、いかに本人の意思を伝えるかが課題となっている。

・ACPが制度化され取り組みが広まるにつれて、本人の無関心など、様々な課題も出てくると考え

られる。市役所としては、出前トークでの市民啓発などを進めていきたいと考えている。

 

3. その他、情報提供(千恵歯科医院 黒木 輝樹先生)

 

 ・在宅歯科医療推進のための研修会について、お知らせがある。来たる、令和5年1月18日(水)

19時30分よりZoomによる「地域包括支援センターの実際」と言う無料受講の在宅介護学

術講演会を予定している。是非、可能な方は参加してもらいたい。(別紙詳細あり)

 

  • 閉会の挨拶(まちの診療所つるがおか 千場 純院長)

 

  • 本日は、さまざまな現場からACPについての考え方や取り組みを発表して頂き、とても参考

になったと思われる。

  • 令和5年1月28日(土)15時より社会的処方の「困った人をどうする勉強会」が開催される

皆様、振るって参加を願う。

 

 

 

 

 

以上

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